Love is ・・・〜いつもそこに君がいたから〜
石川が眼を覚ますと、隣は既にもぬけの殻で・・・そして自分が昨夜、風呂場での会話を最後に記憶がフツリと切れている事に気付く。
「俺・・・また寝たのか・・・」
呟きと共に、ぽすりと枕へ倒れこむと・・・ -ガサッッ- と何かに触れる音がする。
「なんだ?」
石川が体を起こして枕元を見ると、そこには一通の封筒とクリスマスカードが添えてあった。
石川はカードを手に取り開けてみるとそこには―
『悠さんへ メリークリスマス!
今年も一年お疲れ様でした。
来年も、再来年も、そのまた次の年も・・・
ずっと貴方と共に迎えられますように― 基寿』
と、書かれていて・・・封筒を開けようとしていると、タイミングよく岩瀬が帰ってきた。
「おはようございます!悠さん」
「おはよう、基寿・・・これは・・・?」
石川が不思議そうに持ち上げる封筒をニッコリと笑って見つめる岩瀬は―
「開けてください」
「?・・・あぁ・・・」
石川が封を開けると、封筒の中には航空チケットが二枚入っており・・・
「飛行機のチケット?」
「はい!二月の旅行のチケットですvv」
「・・・随分、気が早いな・・・」
「そうですか?でもあと一ヶ月チョイしかないんですよ?」
「・・・ホントだ・・・」
思わずカレンダーを見て確認した石川は驚きを隠せない。そんな石川に岩瀬は近づき―
「準備は早めに・・・デショ?」と言いながら軽くキスを送る。
そのキスを受け取りながら石川は複雑な顔をする・・・
「悠さん?」
「・・・基寿・・・ゴメン」
「どうかしたんですか?」
「・・・ゴメン・・・俺・・・プレゼント用意してない・・・」
石川がすまなさそうに謝るのに対し、岩瀬は明るく・・・
「大丈夫ですよ?」
「基寿?」
「俺はもう、『プレゼント』貰ってますから」
「え?」
「悠さんとの『約束』&『これからの時間全部』デス!!!」
「基寿・・・」
「くれるんでしょう?俺に・・・」
茶目っ気タップリに言うが、岩瀬の眼は真剣で・・・
石川は微笑みながら、岩瀬に抱きついた。そして―
「・・・うん・・・全部・・・俺のなにもかも、全てが基寿の物だよ・・・」
「悠さん・・・有り難うございます・・・」
ギュッと抱きしめて、岩瀬は囁いた・・・
「お礼は俺の全てですが・・・返品不可ですよ?」
その返事に石川は笑って―
「返品なんかしないさ・・・一生な」
「はい・・・」
「「今までも。これからも。この先もズット一緒に・・・約束だな」」
誓いのようなキスを交わし、そっと微笑み合った・・・
『約束』―それが今年のプレゼント・・・
メリークリスマス!!
2006.12.25 UP